不動産(土地・建物)に関する相続&隠居の場合の相続人に注意

司法書士ファクトブックより

概要

司法書士は、一般的には、相続による所有権移転登記業務を行います。

この登記をせずに、また次の代の相続が発生すると、相続人が増え、権利関係が複雑になり、極めて面倒なことになってしまいます。

最悪の場合、相続の夜名義変更ができません。

相続人全員で協議をし、遺産の分割方法を決め、名義変更の根拠となる遺産分割協議書を作成します。

メリット

利益調整型

司法書士は弁護士とは違い、登記業務等を通じて利害を調整する業務を実践してきており、単なる権利主張だけではなく、法的な妥当性を保証した上で、相続人間の調整役になります。

相続人間で争いのない方々にとっては、特に有用です。

ワンストップサービス

問題解決から処理まで、一貫して責任を持って対応できます。

遺産分割協議がどうしても整わない場合は、司法書士は、遺産分割調停申立書を作成し、家庭裁判所に調停の申立を行います。

調停が成立したときは、調停調書に基づき、法務局への登記を代理して登記申請します。

登記手続き、登記に関する先例にも精通した司法書士は、「相続の専門家」です。

戦災等で戸籍が消失してしまった場合

司法書士は、登記業務を通じて、あらゆる相続の形態を見てきており、旧民法や生涯相続、廃棄処分や戦災等によって証明できない相続関係を巡る法律問題に関し、他の専門家よりも非常に長けています。


いまではだいぶ少なくなりましたが、旧民法の家督相続・遺産相続や、現在の民法へ移行するまでの数年間に発生した相続などはかなり専門的な知識が必要です。

隠居による家督相続に注意

特に気をつけないといけないのが、旧法で、戸主が死亡して家督相続するのではなく、生きているうちに「隠居」により次の家督相続人に全財産を相続する場合があります。

戸主の死亡による家督相続だと、その財産は次の家督相続人が家督相続しますが、隠居だと戸主は生きていますので、隠居後に不動産を取得して登記がなされている場合があります。

この場合は、隠居してからの財産なので、家督相続される財産には含まれません。

隠居後に取得した財産は、死亡したときが旧法なら遺産相続の対象、現在の民法時の死亡なら、現在の法定相続人が相続することになります。

その判断は、登記簿の記載により判断することになります。

つまり、登記をしたのが隠居の日の前なら家督相続、隠居後なら遺産相続・相続の対象となるということなので、登記をする前には法務局の登記簿を閲覧して、登記名義人が隠居の場合はその前後で相続人が違うことになるので、十分注意をする必要があります。