法定相続人情報を利用しての相続登記

法定相続人情報を利用しての相続登記、昨年から四万十市・黒潮町の物件を数件申請しました。

相談もけっこうあるのですが、相続人の人数が多かったり、行方不明や成年後見人を選任しないといけないケースだったりしてなかなか相続登記完了まで結びつかないケースが多いです。

長期間(30年以上)にわたって相続登記を行っていない土地の所有者の法定相続人を調査し法定相続人情報(法定相続人の一覧図)を作成する作業は、法務局が法令(所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法)に基づき平成30年から行ってます。

毎年数百人の被相続人を調査し、今年で4回目です。
長期相続登記等未了土地解消作業は、高知の場合、高知県公共嘱託登記司法書士協会が落札し、作業をしています。
具体的には一般の相続登記と同じように、被相続人の出生から死亡の戸籍を調査し、相続人を確定する作業です。


私もこの公嘱協会の会員になっているので、この作業を担当しています。

3回目頃までは、被相続人の死亡の日が昭和23年頃までのものが多くあり、家督相続・遺産相続・応急措置法の相続が入り交じり、相続人の確定の難易度が高い相続の調査が続きました。
相続人も人数が30~60人くらいいる相続もけっこうあります。

が、今年の4回目では新法の相続が多くなり、兄弟の数も格段に少なくなって、調査の難易度がぐっと下がっている印象です。

引き続き、ミスのないよう作業を続けていきます。


法務省「長期相続登記等未了土地の解消に向けた取組」

(文字おこししました。)
(※)は私のコメントです。


動画をご覧頂きありがとうございます

この動画では、長期間相続登記等がされていないことの通知を受けた方々に、通知の趣旨目的などをご説明します。

最初に、このたび通知を送りした趣旨目的をご説明します。

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に基づく法務局の調査により、通知した土地について、土地の所有者が亡くなられているものの、その後も長期間にわたり相続登記等がされていないことが判明しました、

そこで、土地の所有者の法定相続人の皆様に対し、相続登記等をしていただきたくその旨を通知させていただきました。

なお、法定相続人が複数いる場合には、任意の1名の方に通知しています。


次に、このたび通知を送りした背景にある所有者不明土地問題についてご説明します。

登記記録を確認しても所有者が直ちに判明しない、または、判明しても所有者に連絡がつかない土地を、いわゆる所有者不明土地と呼んでいます。

現在、我が国では、人口減少・高齢化に伴う土地利用ニーズの低下、都市部への人口移動を背景とした土地の所有権意識の希薄化により、所有者不明土地が全国的に増加しており、今後もさらに増加することが予測されています。

そして、所有者不明土地の存在は、公共事業において、所有者の特定のために多大な時間と労力を要し、円滑な実施への大きな支障となっています。

東日本大震災の復興事業において、迅速な用地取得の妨げになりました。

このような背景を踏まえ、所有者不明土地の解消を図るため、平成30年11月15日から、「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」が一部施行されました。


法務局では、この「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」に基づき、長期間にわたり相続登記等がされていない土地の所有者の法定相続人を調査し、判明した方に対して、相続登記等をしていただきたくその旨を通知しています。

法務局では、その他長期間にわたり相続登記等がされていない土地である旨を、登記記録(登記簿)に表示しています

このように、登記記録に長期相続登記等未了土地であることや、作成番号などを表示しています。

また、法定相続人情報を作成しています。

法定相続人情報とは、土地の所有者の相続関係を一覧形式で表示した情報であり、相続登記の申請をする際に利用して、戸籍謄本等の収集を省略することができます。


ここでは、一般的な登記申請手続きについてご説明します。

一般的に、登記申請は、登記申請書を作成し必要書類を揃え、不動産の所在地を管轄する法務局に申請を行います。

登記申請は、申請人ご自身で行っていただくこともできますが、司法書士等に申請手続きを依頼することもできます。

不動産の所在地を管轄する法務局の詳細は、「ホームページ 法務局 管轄」で検索してご覧下さい。


ここでは相続登記の相談についてご説明します。

相続登記の相談窓口は、通知文書と共に同封したチラシによりご案内していますが、全国の司法書士会が相談窓口を設置(※)していますので、ご相談は各窓口をご利用することができます。

(※)
高知県司法書士会「相続登記相談センター」

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ご相談を受けられるにあたっては、法務局において通知文書に記載されている土地の登記事項証明書を取得するほか、法定相続人情報を閲覧されることをおすすめします。

なお、法定相続人情報は、土地の所在地を管轄する法務局地方法務局の本局支局または出張所で閲覧(※)してください。

(※)オンライン・郵送請求は不可です。


法定相続人情報を閲覧される場合(※)は、法務局に備え付けてある請求書に、通知文書に記載されている法定相続人情報の作成番号を記載する必要がありますので、通知文書を持参するなどしてください。

(※)1件につき450円の手数料、認印、本人確認資料(運転免許証、マイナンバーカード、保険証)などが必要です。
(※)閲覧申請を行うと、法務局で調査した時点の法定相続人に関する情報(法定相続人情報)が交付されます。
(※)法定相続人情報には法定相続人の全員が判明するとともに、氏名や住所も記載されています。


通知を受け取っていない相続人の方が閲覧される場合は、あらかじめ登記事項証明書を取得するなどの方法により作成番号をご確認ください。

また、閲覧される場合は運転免許証・保険証などの本人確認書類を持参してください。

法務局における登記の手続き案内は、予約制になっていますので、あらかじめご予約の上ご利用ください。

相続登記の申請をしない場合であっても、現在のところ罰則はありませんが(※)、放っておくと今後相続が起こるたびに、ますます権利関係が複雑になります。

(※)相続登記の義務化は、平成6年からスタートする予定です。「相続登記の義務化って何?」と思ったら、こちらの資料を見てみてください。


相続した土地を、すぐに売却することが困難、将来の登記申請がさらに困難になるなど、さまざまなデメリットがあり、子や孫など相続人の方々にこれらの問題が引き継がれます。

今回の通知をきっかけとして、「未来につなぐ相続登記」をしていただきますようお願いします。